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時代を超えて、星は輝き続ける
~オリエントスターの物語~

「輝ける星」オリエントスターの誕生

オリエントスターの誕生は1951(昭和26)年にさかのぼる。1950(昭和25)年、多摩計器株式会社が設⽴され、現在の⽇野市にあった腕時計の製造⼯場で操業を開始、翌年オリエント時計株式会社へと社名を変更した。その年に生まれたのが、「輝ける星」をイメージした、オリエントスターである。

以来、本格的機械式時計のブランドとして、現在まで多くの時計ファンに支持をいただいている。

2017年、20年以上に渡って協⼒して事業を推進してきたセイコーエプソンと統合。オリエントスターのブランドと真摯な時計づくりの姿勢はそのままに、新たな時代の機械式時計を究めていく。

熟練の職人が持つ感覚が、精度と品質を生み出す

オリエントスターの時計⼯房は、現在、秋田県羽後町にある。田園地帯から少し高台に上がったこの場所を訪れた人は皆、そこで働く職人の多さに驚く。「こんなにたくさんの人たちが手作業をしていると思わなかった」と。確かに、オリエントスターの製造には数多くの熟練した職人が関わっている。

最新のNC⼯作機械によって高精度に切り出された部品を治具に取り付け、指先の感覚と⾒た目を頼りに磨き上げる。以前、外部に委託してみたところ品質が安定せず、自分たちでやることにした。

波目や渦目の美しい模様をつけていく目付では、職人の手で一つひとつ模様をつける。機械での完全自動化はできない。砥⽯の摩耗によって模様に変化が出てしまうため、絶妙な⼒加減が必要なのだ。

クリーンルーム内で⾏われる針付け作業では、職人がルーペをのぞきながら、針についている微妙な「くせ」を⾒て、時にはゆがみを直しながら、先端が正しい時刻を指すように、慎重に、一つひとつ針を取り付けていく。時刻を⽰す⻑針や短針、パワーリザーブインジケーターのごく小さな針も、すべて手作業でつけている。

接眼レンズで⾒ながら微細なバリなどを落とす

完成品の検査も職人の目が頼りだ。ルーペをかざして風防をのぞき込み、⾁眼では⾒えないようなホコリ、ほんの少しの針のズレを⾒つけ、不良品は担当者へと戻される。

どの⼯程にも高い集中⼒とミクロン単位の感覚が必要となる。精度を出し、品質を保つために、あらゆる⼯程で職人の目と手が深く関わっている。オリエントスターは、職人が持つ技能で生み出されている機械式時計なのだ。

機械式時計を作り続けた理由

1970年代〜80年代は、クオーツウオッチの全盛期で、機械式時計は影に隠れた存在となっていた。その中でも、オリエント時計※は地道に機械式時計を作り続けた。

オリエント時計は1950年代から他の時計メーカーに先駆け、海外への輸出に⼒を⼊れていた。中国を⽪切りに、他社が進出していないイランなどの中近東、ブラジルなどの南米を中心に積極的な海外展開を進めた。スイス製の時計と渡り合うべく、高品質で手頃な価格、そして他にはない地域の嗜好にあったデザインを目指し、切磋琢磨を続けていく。

輸出先には、クオーツウオッチに欠かせない「電池」の供給が困難な国や地域があった。機械式時計なら、電池が不要で、故障しても人の手で修理できる。だから、オリエント時計は他社がクオーツウオッチに全⼒を注ぐ中でも機械式時計を作り、輸出を続けたのだ。

そして、故障が少ない安定した品質と個性あるデザインが評価され、海外市場での信頼を勝ち取り、現在70カ国以上で販売される、世界中で愛される時計ブランドへと成⻑した。

クオーツウオッチの波に飲まれることなく、機械式時計を作り続けた実績と実⼒は、現在のオリエントスターへと確かに受け継がれている。

※2017年、セイコーエプソンと統合。

さまざまな表情で魅せる「46系ムーブメント」

現在のオリエントスターを象徴する、46(ヨンロク)系と呼ばれるムーブメント。“46”は昭和46年を意味する。つまり1971年に誕生したムーブメントだ。初期モデルのCal.46940では、それまでの紳士用ムーブメントのほとんどは、テンプの振動数が5振動であったのに対し、6振動を採用し、精度と耐久性を向上させた。さらに世界中のお客様向けに製造していたオリエント時計ならではの機能として、曜⽇の2か国切り替え機能を搭載した。

46系は、一⾔で⾔えば「底⼒を持ったムーブメント」である。パワーリザーブを始めとした⾊々な機能を付加しても、スケルトン仕様のために磨き上げても、安定した精度を保つ余裕がある。

1991年に発表された「モンビジュ」は、46系が再び脚光を浴びるきっかけとなったモデルである。繊細に⾁抜きした地板や部品を丹念に磨き上げ、精巧な動きで時を刻むムーブメントの美しさを両面から眺めることができるこの時計は、当時高嶺の花だったスケルトンを手の届く価格で提供し、話題を呼んだ。

46系の基本構造は他の現⾏モデルのムーブメントにも活かされている。時代にあった要素をプラスすることができる、底⼒のあるムーブメントは、オリエントスターに様々な表情を与える。

従来の46系ムーブメント 46系から生まれたスケルトンモデル 「モンビジュ」(1991年) 2017年モデルに搭載された新ムーブメント46系F7

輝ける星、オリエントスター

1951年の初代モデルから65年以上の時が経過してもなお、新鮮さを失わないオリエントスター。「着ける悦び」、「魅せる喜び」、「繋ぐ慶び」の、3つの「よろこび」を追究した時計作りを続けている。

クオーツ全盛の1980年代を経て、人々が改めて機械式時計の良さに気づき始めると、満を持して46系を進化させ、オリエントスターに初めてパワーリザーブを搭載した。その後もワールドタイム、GMTモデルなどを発表。さらにフェイスの一部にムーブメントがのぞくセミスケルトンモデル、そして2016年には「魅せる喜び」を発展させ、両面からムーブメントの動きを堪能できるスケルトンモデルを発表した。「スケルトンは磨きが美しい半面、磨く分だけ厚みが減る。精度を出すのに苦労します」と、担当者は苦笑いを⾒せる。
そして2017年にはムーブメントの装いを一新し、⽉の満ち欠けをあらわすムーンフェイズ+セミスケルトンモデルで、新たな世界を拡げた。

デザイン、パーツ、製造、すべての点で「輝ける星」と呼ばれる機械式時計を作りたい。
オリエントスターの名前には、そんな職人達の想いがこめられ、それは変わることなく現在まで受け継がれている。「自分が動いたり巻いたりしないと止まってしまう機械式時計に愛着を感じる」「自分たちが磨き、組み上げたものが世に出て⾏くことがうれしい」と語る職人たち。皆、オリエントスターを愛している。
オリエントスターが持つ、着ける悦び、魅せる喜び、繋ぐ慶び。オーナーによろこびを与え、時を超えて受け継がれるパートナーとなることを願って、今⽇も職人たちは黙々と時計作りに励んでいる。

オリエントスターの66年
時代とともに歩んだ探求の歴史

年表